この事業を立ち上げようと思ったきっかけは、私の知り合いが糖尿病の合併症で目が見えなくなってしまったことでした。彼はとても活発な人で自分で事業を立ち上げている社長さんでした。まさか自分がそんな病気にかかるなんて、まさか目が見えなくなるなんて…と感じたと思います。暫くは塞ぎ込んでいましたが程なくして前向きになれてこの同行援護のサービスを受け始めたのですが、そこで気が付いたと言います。なぜこんなに待たなければならないのか?なぜこんなに時間を充分に与えられないのか?なぜボランティアなのか?なぜガイドヘルパーに若い人が少ないのか?と…なぜ!なぜ?不満に感じることは沢山あったのです。ならば!その不満を解消するべく構想は無限にあり、自分と同じ様に感じている視覚障がい者は沢山いるのではないかと考えたからなのです。
 そこからまず私自身が同行援護の資格を取りました。この仕事の大切さ、この仕事のやり甲斐、この仕事のこれから先のビジョンや方向性をイメージ出来ました。
 私はこの仕事を多くの人に知ってもらいたいのです。視覚障がいの方は『目が見えないだけ』なんです。ただそれだけの違いで多くのことが制限されてしまうのです。見えなくても感じることができます。多くの情報は耳で聴いています。その才能は未知数です。だから行きたい場所、やりたいことを制限しないで欲しいのです。そんな思いでこの事業を立ち上げました。
大きなことは出来ないかもしれませんが、最初の一歩を踏み出そうと思いました。

代表 溝部奈緒美